新型コロナウイルス性肺炎が話題に出だしてから、少しずつこのウイルスの性質などが判明し始めています。新しい性質が分かるとまた新たな疑問が生じたりして、全貌が明らかになるにはまだ時間がかかることでしょう。
流行が拡大するに伴って 混乱も増えているように感じます。
私の薬局でも
「マスクはありませんか?」
「消毒用エタノールはありませんか?」
「予防にいい漢方薬はありますか?」
というお問い合わせがちらほらあります。
うちのような牧歌的なのんびりした漢方薬局でもそのような方々がいらっしゃるほどなので、世間ではそれ以上にお問い合わせがあるのだろうと察せられます。
早期の終息を望まずにはいられません。
さて、予防についてですが、奇をてらったようなことは一つもありません。
一に手洗い、二にうがい、そして十分な睡眠と栄養の偏りのない食事をとること。
それに尽きます。
もう少し頑張れるなら、部屋の加湿(湿度50~60%が望ましい)をすることと、外から帰った時に手洗いに加えて顔も洗うと良いということ、時々2~3分でいいので換気をすることくらいです。
正しい手洗いの方法は メディアでもさんざん言われているし、ネット上でも簡単に調べることができます。完璧な手洗いを毎回できなくても、石鹸を使って流水10秒以上かけて流すだけでも9割ほどの微生物は除去されます。なにも毎回手術室に向かうような手洗いをしなくともそれだけでかなりの予防は期待できるでしょう。
特に氣を付けたいのは、持病を持っていらっしゃる方、高齢の方、妊婦さんです。
マスクも可能であればしたほうがいいでしょう。
マスクは本来は風邪などに感染した方が他の方に感染拡大させないためのものですが、鼻やのどの粘膜が保湿されることによってウイルスの侵入をある程度抑制できますし、不顕性感染の方がいらっしゃった場合、唾などの飛沫を直接浴びないという意味で、何割と明言は出来ませんがある程度の予防効果はあると見込まれます。(歯に物が挟まったような回りくどい言い方ですみません。)
病原性微生物学における無菌操作の手順を日常生活すべてで行うことは、不可能に近いです。アルコール消毒も どの範囲までやるか、悩ましい問題です。個人的な意見として、優先順位としては、
①手指消毒
②スマホや携帯電話
③ドアノブ
④テレビなどのリモコン、でしょうか。
ただ、これもやるのであれば、エタノールをケチって中途半端な消毒をせず、きちんとやっていただきたいのです。ポンプ式の消毒用エタノールであれば、ポンプを下までしっかり押し切るまで出して一回分と考えてください。スマホやドアノブなどのモノを消毒する場合、掃除と異なり往復してゴシゴシ拭くのはお勧めしません。コットンや布に、たっぷり含ませたら、一方向にゆっくりと拭いてください。エタノールが蒸発して乾燥したら、消毒が完了です。
一番簡単で、一番皆さんにやっていただきたいのは手洗いです。
一般の方が一日に何回くらい手洗いしているのか、存じ上げませんが、私の場合は仕事中、掃除の前後、食事の前後、お手洗いの後など含めると だいたい1日30~40回くらい洗っています。これが多いのか少ないのかは判断がつかないところなのですが、人と接触する機会の多いお仕事の方は 都度の手洗い励行をお願いしたいです。
ただし、アトピーの方や、あかぎれ、怪我などで、擦り傷・切り傷が手にある場合、そこから雑菌が繁殖しやすいので、治療を並行することと、手洗い後に保湿などのケアも同時に行ってください。
皆様が健康にお過ごしいただけるよう願っております。