漢方薬で身近なものの一つに お屠蘇(屠蘇散)があります。
お屠蘇は年始に その年の無病息災と健康を願って飲む薬酒です。
約1100年前に、嵯峨天皇の時代、宮中の御儀式として始まったとされています。
その薬効は、胃薬であり、風邪薬です。食欲を増進し、消化を助け、冷えた体を温める生薬(しょうやく)が配合されています。
桂皮(けいひ)・山椒(さんしょう)・陳皮(ちんぴ)・桔梗(ききょう)・大茴香(だいういきょう)・丁子(ちょうじ)・浜防風(はまぼうふう)が配合されていますが、メーカーによって多少配合内容が異なります。
大晦日にみりんか清酒に浸けておき、お正月に一家の年長者が年の若い者順についでいき飲みます。
現在、薬局で販売している屠蘇散の薬用量は微々たるもので、その薬効を大きく期待できるものではありませんが、年の初めの行事として楽しまれるといいかと思います。