山本夏彦さん
(1915~2002)の随筆が、大好きです。
悠久の時は、変わらないのに、
この20年の、目まぐるしい時代の速さに、追い付いていけない・追い付きたくない私にとって、
夏彦さんの
自然体で、ゆったりとした、やさしい語り口、示唆に富んだ日本語で、
世の中バッサリ!
皮肉あり、ユーモアもありの文章にホッとするのです。
変痴氣論より
[生きもののなかで、植物は自分から出張しない。何年でも、何百年でもじっと突っ立っている。移動して争うということがない。
だから私は植物を最も尊敬している。]
茶の間の正義
[子守唄を禁じるような育児書は、百害あって一利ない。いっさい無用だというと、それならすべて旧式でいいかと、ふたたびつめよる。
いいのである。]
やぶから棒
・醜いことは他人の生活を羨むこと、
・尊いことは奉仕して、恩に着せぬこと、
・素晴らしいことは感謝の念を忘れぬこと・・・と私が言っても信じないなら
福沢諭吉が言っている。
世はいかさま
[親切というものはむずかしいという自覚を、親切な人は忘れがちである。]
毒言独語
[何用あって月世界へ?
月はながめるものである]
ありがとうございます
老子
第四章
[静かに生きるために]
095
手柄を見せつけない
ボランティアをやっていると自慢する人がいる。やらないよりはやっているほうがいい。
でも、心の出来た人は、立派な営みを行いながらも、
それを自慢しないし、
手柄とも思っていない。ましてや、高い地位に居座ろうとは考えてもいないんだ。
聖人といわれる人は、
ことさら自分の能力や偉大さを、
外へ見せることなどしないのだよ。